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 弁護士・公認会計士  洪 勝吉

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労働審判手続への対応法

裁判所から突然、労働審判申立書が郵送されてくることがあります。これは、(元)従業員が労働審判の申立てを行ったということです。
どのように対応する必要があるか見ていきましょう。

裁判所から届く書面

裁判所から「労働審判手続呼出状及び答弁書催告状」という表題の郵便物が届いた時は、(元)従業員が労働審判を申し立てたということです。
呼出状には、労働審判の期日、答弁書の提出期限、出頭場所が記載されています。
出頭場所は、札幌地方裁判所であれば、本館2階の労働審判廷です。

労働審判手続は迅速に行われる手続きとされています。
そのため、期日までは、呼出状の日付から1か月弱程度しかありません。
そして、答弁書の提出期限は、期日の1週間強前に設定されます。
そうすると、申し立てられた側は、呼出状が届いてから、2週間程度で答弁書を作成、提出しなければならないということになります。

 

通常の訴訟手続との違い

通常の訴訟の場合でも、同じように期日呼出状には、答弁書の提出期限が定められています。
ただ、通常の訴訟における答弁書は、「追って主張する」と一言書いて第1回口頭弁論期日は欠席し、詳しい主張を後日提出するのでも問題はないため、時間に追われることはありません。
期日への出席についても、審理の終盤に行われる尋問以外は、弁護士だけが出席すれば足ります。

しかし、この点は労働審判手続きでは全く異なります。
まず、労働審判では、期日に本人や関係者を対席で審尋(質問)するのが通例ですので、期日への出席が求められます。
そして、第1回期日の冒頭から、労働審判官(1名。裁判官)、労働審判員(2名。労働者側、使用者側から民間人がそれぞれ指定される)から、申立書記載の事実関係について、集中的に質問され、これへの回答内容によって労働審判委員会の心証形成が早々に進んでいきます。
法令上は主張や証拠書類の提出は、第2回期日までに終えるものと定められていますが(労働審判規則27条)、実際は、事実審理は第1回期日で終了するのが通常であり、第1回期日が勝負といっても過言ではありません。

そのため、答弁書には、申立書の記載について、具体的な反論を行い、証拠資料も出し切るくらいの気持ちで臨む必要があります。
十分な答弁書を作成するためには、関係者の聞き取りや、証拠書類の整理を行わないといけません。
答弁書が20ページを超えることも私の経験ではめずらしくありません。
これらを2週間で行わなければいけません。

 

労働審判のメリット

これまで見たように、労働審判では、申し立てられた側に早急な対応を強いられます(申し立てた側は、申立書の提出をどのタイミングでするかは自由です)。

しかし、会社側としては、早期解決が見込めるというのは大きなメリットです。
統計上も、労働関係訴訟の審理期間は平均14.5か月(平成30年の統計)ですが、労働審判であれば約2.7か月と5分の1以下になっています。

労働審判は、和解的な解決を志向するため、解決には一定の金銭負担が求められることが多く、これは訴訟手続になって和解が成立する場合でも同じです。
そして、労働審判の方が、通常の訴訟で和解で終わるよりも、少額な負担になる傾向があるという厚生労働省の調査結果があります。
そのため、適切に対応できれば、会社側としても労働審判で紛争を解決するメリットは大きいものがあります。
 

事前の準備の必要性

労働審判申立書には、申立て前にされた交渉その他の申立に至る経緯の概要を記載するように求められます。
先ほど見たように労働審判では迅速な進行が求められるので、基本的には事前交渉を行った上で、申立てを行うことが望ましいとされているためです。
(元)従業員の代理人弁護士などから何らかの接触が申立前にあることが多いので、この接触があった段階で、弁護士に相談することをおすすめします。
答弁書の作成まで2週間しかないのと、それ以上にあるのでは、弁護士も会社も準備の余裕、精度が全く異なるためです。

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