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 弁護士・公認会計士  洪 勝吉

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取締役を解任したい場合~辞めさせた取締役が株主でもあるとき

前回は役員を解任する際の注意事項を見ましたが、親族役員を辞任や解任でやめさせた場合、その親族役員が少数の株式を保有していることも多いでしょう。

取締役を辞めさせたとしても、株主であることに変わりはなく、株主としての権利を持つことになります。今回は、少数株主にどのような権利があるのか確認していきたいと思います。

通常の場面での株主の基本的な権利は、議決権と利益配当請求権です(会社法105条1項)。
株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければいけません(法109条1項)。
そのため、役員を辞めさせた親族が、議決権や配当請求権のある株式(普通株式と呼ばれることがあります。)を保有している場合には、この親族にだけ、議決権を行使させないとか、配当を支払わないといった取り扱いはできません(株主平等原則)。


株式の過半数を保有していれば、株主総会の普通決議事項(取締役の選任など)を自由に行うことができます。株式の3分の2超を保有していれば、合併などの組織再編を含む会社運営上の重要事項(特別決議事項)の全てを決定することができます(上記の議決権です)。
それでは少数の株式しか保有していない株主にはどのような権利が認められるのでしょうか。

単独株主権・少数株主権

株主の権利には、上記の議決権や配当請求権以外にも多種多様なものが存在します。実務的に面倒になることが多いのは、次にみるような情報の開示請求に関する権利や、株主総会に関する権利です。

それぞれの要件については、中小企業に多い、取締役会・監査役設置会社であることを前提としています。単独株主権とは1株でも行使できる権利、少数株主権とは一定の株式数を保有する場合に行使できる権利を言います。

情報の開示を求める権利

ひとつ目の類型が、会社情報の開示を求める権利です。
株主は、次のような、会社の重要書類の閲覧等をする権利が規定されています。

定款の閲覧・写しの交付請求(法31条2項。拒絶事由の定めなし)
株主名簿の閲覧・謄写請求(法125条2項。拒絶事由の定めあり)
株主総会議事録の閲覧・謄写請求(法318条4項。拒絶事由の定めなし)
取締役会議事録の閲覧・謄写請求(法371条2項。裁判所の許可が必要)
計算書類の閲覧・謄写請求(法442条3項。拒絶事由の定めなし)
会計帳簿の閲覧・謄写請求(法433条1項。3%以上の株式保有が必要。拒絶事由の定めあり)

上記の開示請求のうち、会計帳簿の閲覧・謄写請求以外は、1株でも株式を保有していれば可能です。
会計帳簿については、会社の営業秘密に直接関係するため、3%以上の株式保有が必要とされ、会社側が開示を拒絶できる事由の定めもあります。
取締役会議事録については、株式数の保有要件はありませんが、会社の営業秘密に関係するものも記載されるため、株主の権利を行使する必要があり、会社に著しい損害が生じるおそれがないと裁判所の許可を受けることとされました。
株主名簿については、株主の個人情報でもあり、会社の資本政策にも関わることから、拒絶事由の定めが置かれています。
 

反対株主の株式買取請求権

ふたつ目の類型が、一定の重要な事項について反対した株主による株式買取請求権です。
例えば、一定の規模を超える事業譲渡、合併、会社分割、株式交換などについて、反対の株主は株式買取請求を行うことができます。
株式の買取価格は「公正な価格」です。手続や価格の決定方法については、次回以降に見ていきたいと思います。

 

株主総会に関する権利

株主によって構成される会議体である、株主総会に関しては、その構成員である株主に、議決権以外にも次のような権利が認められています。

・株主総会に出席する権利(取締役の株主への招集通知の送付義務などが規定されています)
・株主総会で質問する権利(取締役の説明義務が法344条に規定されています)
・株主総会の議案提出権(法304条)
・株主総会の議題提出権(法303条。1%以上の株式保有が必要)
・株主総会の検査役選任請求権(法306条。1%以上の株式保有が必要)
・株主総会の招集請求権(法297条。3%以上の株式保有、裁判所の許可が必要)
・株主総会決議取消し等の訴訟提起権(法830条・831条)

上記のように、株主は、株主総会に議案などを提出し、総会に出席して、取締役に質問し、議決権を行使できます。
また、株主総会の招集手続や決議方法の適法性を調査させるために検査役を選任するよう裁判所に求めることも可能ですし、株主総会の招集手続などに違法なものがあれば決議取消しの訴えを提起することもできます
中小企業では、実態として、株主総会や取締役会を開催していなかったり、商業登記に必要とされる場合にしか株主総会議事録や取締役会議事録を作成していないことも多いと言われています。
少数株主に敵対的な人物が現れたときには、これまでの会社運営の方法を見直していく必要が生じる場合がありますので、注意が必要です。

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