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弁護士・公認会計士 洪 勝吉
〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西10丁目 南大通ビル2F
(札幌市営地下鉄東西線 西11丁目駅直結 専用駐車場:無し)
前回見た最近の監査法人への処分事例の内容から、監査法人ガバナンスコード3-2に指摘のある、独立性を有する第三者(独立第三者といいます)が、具体的にどのような役割を担うべきか考えていきます。
【目次】(2025.02.21)
1.経営陣への独立した監督と助言
2.品質管理態勢の強化と継続的改善の推進
3.人材育成と評価制度の整備
4.職業倫理と独立性の確保
5.情報セキュリティと内部規程の遵守状況の監視
独立第三者は、業務執行から独立した立場で、経営陣に対して遠慮せずに発言・行動することが求められます。これにより、組織内の意思決定が特定の個人に偏らず、全体の利益を考慮したものとなるよう方向づけられることが期待されます。
具体的には、①経営会議や重要な意思決定の場に参加し、独立した視点から意見を述べることや、②特定の社員間だけでなく、社員や職員への情報共有を推進する仕組みが策定されているかモニタリングすることなどが挙げられます。
品質管理レビューで指摘された事項の改善状況を定期的に監視する役割を担うことが考えられます。
具体的には、①過去の指摘事項に対する改善策が効果的に実施されているか評価する、②最新の基準や業界動向を踏まえた品質管理方針の策定状況をモニタリングすることなどが挙げられます。
社員や監査補助者の評価基準や報酬体系の整備状況や、職業的懐疑心の育成や監査基準の理解を深めるための研修プログラムの実施状況について評価する役割を担うことが考えられます。
具体的には、①監査品質や業務遂行能力を正当に評価する基準の策定についての助言、②不正リスク対応や最新の監査基準に関する定期的な研修の実施状況をモニタリングすることなどが挙げられます。
職業的懐疑心を持ち、経営者の主張を批判的に検討する姿勢を組織内に浸透させる役割を担うことが考えられます。
具体的には、①職業倫理に関する内部規程が適切に運用されているかを定期的にチェック、②非監査業務の範囲や内容が独立性に影響を及ぼさないかを評価が適切に行われているかモニタリングすることなどが挙げられます。
情報セキュリティに関する内部規程の運用状況や、内部監査や点検が適切に実施され、規程違反が是正されているかをチェックする役割を担うことが考えられます。
具体的には、①データ管理や情報漏洩防止に関するポリシーが最新の脅威に対応しているかの確認、②定期的な内部監査が行われ、指摘事項に対する是正措置が適切に取られているかの確認などが挙げられます。
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