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 弁護士・公認会計士  洪 勝吉

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未払残業代の精算

IPOを目指すスタートアップ企業では未払残業代の有無が上場審査項目に挙げられます。
そのような会社でなくても、労働基準監督署から未払残業代の指摘を受けるケースもあります。
このような場合には、未払残業代の有無を調査し、精算する処理が必要になる場合があります。

グロース市場の新規上場における提出書類(各種説明資料)では、従業員・労務の状況の中として、サービス残業の発生防止のための取組みや賃金未払の発生状況、管理監督者の状況などの記載が求められます。
このように残業代の未払いの有無については、上場審査項目の中でも重要ポイントの1つであり、未払賃金が生じていること自体が法令違反ですので、過去からの未払残業代の有無を調査し、もし生じているならこれを解消することは実務上必須です。
また、IPOを目指す会社でなくても、労働基準監督署の調査により、未払残業代の発生を指摘された場合は、事業所全体で未払残業代を解消する必要に迫られることもあります。
 

未払残業代が発生しやすいポイント

未払残業代の解消を必要とした例として次のようなものがあります。

・労働時間の切り下げが行なわれていた例
・外回り営業の従業員について事業場外みなし労働時間制を採用しているものの、適用要件を充たすと言えない例
管理監督者扱いの従業員について管理監督者の要件を充たすとは言えない例

未払残業代を解消するには、過去の労働時間を把握しなければなりません。
一つ目の労働時間の切り下げが行なわれていた例では、労働時間自体は把握できており、未払賃金の算定も可能ですので、その精算も比較的容易に行うことができます。
しかし、それ以外の例では、労働時間を把握できていないため、その実態を調査する必要があります。
 

調査の方向性

さきほど見たとおり、調査する上では、会社が労働時間を把握できているかどうかが一つのポイントになります。
会社の勤怠管理を、時期や部署ごとに確認し、未払賃金の時効期間(3年間)も踏まえて、まずは未払賃金の発生可能性を評価します。
未払賃金の発生可能性が高い時期や部署について、労働時間を把握できていないようであれば、従業員へのヒアリングを行い、社内メールの送信時間などから合理的に判断していくケースもあります。
 

精算する際の注意点

未払賃金を精算する際は、合意書を作成するようにしましょう。
未払賃金が生じる部署や人員が一部になることも少なくないので、支払いを受けられない従業員の誤解を防ぐために、守秘義務条項を定めておくこともあります。
退職した従業員についても未払賃金の精算は必要です。退職時に清算条項を付した確認書を作成するなどしていても、賃金の放棄は自由意志に基づくことが明確でなければならないと解されていますので注意が必要です。
そして、今後、未払賃金が生じないように、就業規則の変更(例えば、固定残業手当を新設したり増額するなど)や勤怠管理の方法について、適切な制度設計を検討しましょう。

 

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