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 弁護士・公認会計士  洪 勝吉

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和解と判決の違い

訴訟の代表的な終わり方に判決と和解があります。
今回は和解と判決を比べて見ていきます。

訴訟の終了する時期の違い

判決の場合は、裁判をするのに熟したときになされます(民事訴訟法243条)ので、審理が終結した後に判決が下されます。
また、判決に対して不服のある当事者は、控訴や上告といった上訴が可能ですので、訴訟が終了するとは限りません。
 
一方、和解の場合は、訴訟がいかなる程度にあるかを問いません(法89条)。
争いが少ないものであれば、訴訟の早い段階から和解になることもありますし、主張や立証が出そろった時点や尋問が終わった時点など、タイミングを見て和解に至ることもあります。
裁判上の和解には確定判決と同一の効力があり(法267条)、訴訟が終了しますので、上訴をされる心配はありません。
 

内容の違い

判決の場合は、一部勝訴判決(被告から見れば一部敗訴判決)も少なくはないですが、基本的にはオールオアナッシングで決まります。
通常の民事訴訟の場合、原告が主張する、被告に対する請求権が認められれば認容判決になりますし、認められなければ棄却判決になります。
 
これに対し、和解の場合は、裁判官の心証の程度や、当事者の要望を加味した中間的な解決が可能です。
一方がお金を支払う内容であっても、期限を猶予したり、分割払いにしたり、一部減額することで和解につながることもあります。
減額された金員が完済されたときには、残部を免除するという条項にして、この債務免除を債務者の金員支払いの動機付けにつなげられることもあります。
また、訴訟の当事者以外の者を利害関係人として参加させることができます。例えば、被告の会社の支払能力に不安がある場合に、被告の代表取締役(代表取締役でも会社とは別人格なので、訴訟の当事者というわけではありません。)を和解に参加させて個人保証させることも可能です。
事案によっては、和解条項に謝罪の文言をいれたり、再発防止策の実行を約束する内容を盛り込んだりすることもあります。
また、和解の内容について、守秘義務をお互いに課すことを約束することもよくあります。
和解する場合には、和解条項として記載されたもの以外には請求するものがお互いにないと確認する条項(清算条項)を付すことがあります。この条項を付ければ、和解時点以前の出来事について紛争が起こる可能性が低減されます。
 

譲歩の必要性の違い

判決は、裁判所に認められるか認められないかで結論が決まりますので、相手に対する譲歩の必要はありませんし、相手と合意する必要もありません。
請求が認められれば、遅延損害金(法改正により年5%または年6%から、年3%に引き下げられましたが、それでも高率です。)が付加されますので、時間がかかっている場合には遅延損害金が高額になることもあります。
 
これに対し、和解は、お互いに譲歩する必要がありますし、相手もこちらも合意できる内容でないと成立しません。遅延損害金については、支払いの対象には含まれないことが通常です。
また、関係が継続する可能性がある(相手が親族であるとか、取引関係者であるなど)場合には、和解で終了したほうが、将来を見越した場合には望ましいと言えます。
 

守られる可能性の違い

判決が確定した場合、相手方に資力があれば、強制執行を避けるために任意に支払ってくるでしょう。履行されない場合は、強制執行することになります。相手の財産を強制的にお金に換えて(換価)回収することになります。
相手に資力が乏しく、換価できる財産がなければ、回収は困難になります。
 
この点は和解も同じです。和解には確定判決と同様の効力がありますので、和解が守られなければ強制執行することで回収します。ただ、和解の場合、相手も合意して成立しますので、相手に資力が乏しい場合、一般的に、判決と比べて履行の可能性が高いと言われています。
 

選択のポイント

これまで見たところをまとめます。
訴訟の終了時期・・和解にメリットあり。
内容・・勝訴判決を得られる見込みなどによって異なるが、解決の柔軟性は和解にメリットあり。
譲歩の必要性・・勝訴判決を得られる見込みが高ければ、譲歩の必要なく遅延損害金も請求できる判決にメリットあり。ただし、関係が継続する場合には和解が望ましいときも。
履行・・相手に資力が乏しい場合は、和解にメリットあり。
 

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