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弁護士・公認会計士 洪 勝吉
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株主総会は、通常、取締役や取締役会の決定に基づいて招集されます。
会社内で紛争が生じるなどして、正常に株主総会が開催されない場合は、株主によって株主総会を招集することがあります。
非公開会社を例に見ていきます。
【目次】(2024.04.06)
1.株主が株主総会を招集するケース
2.株主総会の招集請求
3.招集許可の申立て
4.招集された株主総会の運営
株主総会は、事業年度ごとに一度行われる定時株主総会と、必要に応じて行われる臨時株主総会があります(会社法296条)。
定時株主総会は1年に1度は必ず行わなければいけないと定められていますが、取締役や取締役会の決定がなければ、株主総会が自動的に開催されるものではありません。
例えば、株主総会が開催されると取締役の地位を解任される危険がある場合などには、取締役が株主総会を招集しないという対応をとりかねません。
その取締役が株主でもあると、全員出席総会(招集手続きを省略可)を開くことも困難です。
そこで、株主が主導的に株主総会を招集する手続が設けられています。
3%以上の議決権を有する株主は、取締役に対して、株主総会の議題と招集の理由を示して株主総会の招集を請求することができます(297条1項2項)。
株主総会の議題としては、例えば「取締役●●の解任及び後任取締役の選任の件」などと記載します。
招集の理由については、この段階で紛争を拡大化させる必要はないので、必要最小限の記載にとどめるほうがベターなことが多いように思いますが、詳細に記載する例もあります。
招集請求の相手方は、通常は代表取締役です。ただ、代表取締役が株主として招集を請求する場合は、代表取締役が複数であれば他の代表取締役に対して、ほかに代表取締役がいなければ取締役全員に対して行います。
なお、定時株主総会の開催年度を事業年度末日から3か月以内などと定款に定める例は多いですが、この期間内については、開催時期に関して取締役に一定の裁量があると考えられるため、株主による招集請求はできないと解されています。
招集請求がなされた日から8週間以内の日を株主総会とする招集通知が発せられない場合は、裁判所に対して招集許可の申立てを行います。
裁判所における審理の中で、会社側が株主総会を開催する内容で話し合いができることも多いです。
会社側が株主総会を開催すれば、議事進行を会社側が行えるというメリットが会社側に生じます。
株主要件と招集請求の要件が疎明されれば、権利濫用とされない限り、招集許可が決定されます。
招集許可を受けた株主は、総会の日時や場所を決定して、他の株主に招集通知を発します。
招集通知の発送のために、株主名簿の閲覧・謄写も可能です。
株主総会では、招集した株主が仮議長になり、議場で、出席株主の過半数により議長を選任し、選任された議長が議事進行を行います。
株主総会の議題は、許可を受けたものに限ります。
総会の招集・開催に要した費用は招集株主の負担になりますが、総会で決議が成立した場合など、会社にとって有益な費用と認められる場合は、会社に対し合理的な額を求償できると解されています。
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