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弁護士・公認会計士 洪 勝吉
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取締役会の議事については、議事録を作成しなければなりません(会社法369条3項)。
株式会社の株主や債権者は、役員の責任追及などのために、取締役会議事録の閲覧・謄写ができる場合があります。
【目次】(2024.09.24)
1.取締役会議事録の作成・保管
2.取締役会議事録の閲覧・謄写
3.裁判所の許可を受けるための条件
4.審理の方法
取締役会議事録に記載が必要な事項は、会社法施行規則に定められています(規則101条3項)。
議事録には、取締役会の日時・場所や、議事の経過の要領・結果などを記載します。
議事録は取締役会の日から10年間本店に備え置くものとされています(会社法371条1項)。
株主は、権利行使のために必要があるときは、取締役会議事録を閲覧・謄写(コピー)することができます(会社法371条2項)。
ただ、比較的多くの会社が採用する監査役を置く会社では、株主が取締役会議事録を見るのに裁判所の許可が必要とされます(371条3項)。
ここでいう「監査役」とは、監査の範囲が会計に限定されている監査役は含みませんので注意が必要です。
親会社の株主も、裁判所の許可を得て、子会社の取締役会議事録を閲覧・謄写できるとされています(371条5項)。
債権者も同様に、裁判所の許可を得て、役員の責任追及のために必要があるときは議事録を閲覧・謄写できます(371条4項)。
閲覧・謄写の対象となる取締役会議事録を特定する必要があります。
ただ、株主や債権者が、具体的にどの議事録と特定するのは通常困難ですので、閲覧の対象か否かが区別できる程度でよいと考えられています。
閲覧の範囲については、取締役会の開催時期の始めと終わりのみを特定することが多いです。
次に、閲覧・謄写の必要性があることが求められます。
株主の場合でも、「株主代表訴訟を提起するため」といった程度では足りず、いかなる株主代表訴訟の提起を検討しているのか、具体的な内容を求められます。
債権者の場合は、役員の責任追及のために必要であることが求められます。
債権者は会社の外部者であるため、株主と比較すると限定された目的になります。
最後に、取締役会議事録の閲覧・謄写により会社に著しい損害が生じるおそれがあるとは言えないこと、という条件があります。
例えば、会社の業務の遂行を妨げる目的がある場合や、会社と競業関係にある者である場合、議事録の内容を第三者に通報する目的を有している場合などは、会社に著しい損害が生じるおそれがあるとして許可されないことになります。
裁判所では、審問期日が開かれ、申立人と会社の陳述を聴く手続が開かれます(会社法870条2項1号)。
会社が反論などを行う場合は、利害関係参加許可の申立て(非訟事件手続法21条2項)をする必要があるので注意が必要です。
会社が関係部分を抽出した議事録を任意に交付するなどして、申立てが取り下げられて終わることも少なくありません。
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