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 弁護士・公認会計士  洪 勝吉

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問題社員への対処法-②

前回見たとおり、社員による横領については、横領損失以外にも会社に多額の損失を生じさせる可能性があります。そのため、このような事態を防止する態勢は非常に重要です。

物品を購入する場合のプロセスを例に見ていきましょう。

物品購入の一般的なプロセス

物品を購入するには、通常、①発注→②物品の受入れ(検収)→③経費計上→④代金の支払いといったプロセスがあります。

この4つのプロセスに関して業務を複数人で分担することがまずは重要です。

例えば、発注書には業務に必要とされてもおかしくない漠然とした品名を記載し、取引先には発注書に記載したものとは異なる品物(中古ショップに転売しやすい物など)を注文して納品を受けるといった不正が行われることがあります。このような事態を避けるためには、発注書の記載と検収した物品が同じものであるか厳しくチェックされなくてはならないので、発注と検収は異なった人物により行われることが必要でしょう。

経理部門や支払部門には発注書や請求書が回されてきますが、発注書には業務に必要と思われる品名が記載され、請求書にも同じような漠然とした品名の記載しかなく、なおかつ金額もそれほど多額でないとすると、そのまま処理されてしまうこともありうるでしょう。問題社員と取引先との関係が深ければ、不正と知らない取引先がそのような形で請求書に記載することに応じることも十分に考えられます。

比較的少額な取引だとチェックがどうしてもゆるくなってしまう面もあります。しかし、不正行為が少額なものから始まっても、徐々に不正の頻度が多くなり、これが長年にわたってくると、不正の総額が非常に大きくなってしまうケースも現実にありますので注意を怠ることはできません。

このように購入取引については、債務の発生や支払いを伴うので総額としては多額になる可能性もあり、危険性が高いものと考えて対処するべきです。最低限、複数人に担当を分け、これを職務分掌として規程化しておくことが必要です。

また、物品の購入について、購入する品目、価格、数量、購入の時期、支払方法などの基本的な方針を設定しておき、この方針をもとに予算の設定、予算と実績との比較などといった管理をすることも必要になります。

発注の管理

物品の発注については、これを必要とする工場などの現場や在庫の保管部門などからの発注に関する依頼書を作成、依頼する部門で承認を受け、これが発注部門に回されます。

このような依頼書の作成が原則とされても、例外的に営業担当者などが単独で発注できるというような運用がなされるケースもあります。
業務の必要上、発注を急ぐことが必要になる場合もあるでしょう。しかし、このような例外を認める場合には、原則と例外がひっくり返るような運用にしないことが大切です。

発注に面倒な手順が多いと、段々と簡易的な例外措置によることが横行してしまう危険があります。どのようなプロセスにも関係しますが、事前手続について例外的な簡略措置を認める場合には、事後的に原則的な措置と同程度の承認手続などを設けるようにすることが大切です。

決裁手続など

一定の金額のバーを超えるような発注を行う場合には、稟議による決裁がなされることが多いです。この場合に相見積もりをとると、価格の適正化に役立つ面もありますし、特定の業者との癒着を防ぐという意味で不正防止にも資することになります。

相見積もりをとらない場合には、その理由を承認者がしっかりと確認することが大事です。

発注手続の完了後は、発注に関する文書を日付順や取引先ごとに整然と保管しておきます。

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